「留守」バージョン

太郎冠者殿 宿にござるか
宿にござらば お目にかかろぞ お目にかかろぞ
太郎冠者殿 留守でござる
御用ござらば 仰せられよ 仰せられよ
太郎冠者殿 宿にござるか
太郎冠者殿 留守でござる
太郎冠者殿 お目にかかろぞ
太郎冠者殿 留守でござる
太郎冠者殿 太郎冠者殿
留守でござる 留守でござる
冠者殿 冠者殿 留守じゃ 留守じゃ
冠者 冠者 留守 留守
冠者 冠者 留守 留守
冠者 留守 冠者 留守 冠者!
「留守」

「もちょっと お待ちゃれ」バージョン
父様 父様 腹が減りました
コノ シャッキヤ シャッキヤ シャッキ シャッキヤ
我が子や 我が子や 飯にしようぞ
コノ シャッキヤ シャッキヤ シャッキ シャッキヤ
誰が作るぞ 誰が作るぞ
身共が作ろぞ 身共が作ろぞ
早う作ろで 早う作ろで
ちょっとお待ちゃれ ちょっとお待ちゃれ
まだでござるか まだでござるか
もちょっとお待ちゃれ もちょっとお待ちゃれ
腹減り 腹減り 我慢 我慢
飯 飯 まだ まだ
飯 飯 まだ まだ
飯 まだ 飯 まだ 飯!
「もちょっとお待ちゃれ」
あらすじ

 勤めをよそに無断外出していた太郎冠者がやっと帰ってきたというので、主人が次郎冠者を連れて叱責に 行く。それと察した太郎冠者は、居留守を決め込むが、主人は、太郎冠者が居留守を使っている事に気付き、 作り声や、平家節、小歌節、踊節で太郎冠者を呼ぶ。太郎冠者もそれにあわせ、居留守を使い続けるが、 ついに主人と顔をあわせてしまう。

 「音曲尽し」(同じ詞章をいろいろな曲節で次々と歌い分ける趣向)を取り入れた、にぎやかな舞台が 展開される狂言です。「平家節」とは、『平家物語』を琵琶に合わせて語る平曲のフシ回し、「小歌節」は、 中世に流行した小歌の曲節で、比較的古風な感じを残すもの、「踊節」は、片足ずつ交互に上げて歩く、 浮き足の動作を伴う賑やかな曲節のことです。掛け声に使われている 「コノ、シャッキヤ、シャッキヤ、シャッキ、シャッキ シャッキヤ、ハアー」は踊節特有の囃子言葉。
 ちなみに「小名狂言」とは太郎冠者をシテとする狂言の事を言います。

参考文献 小学館『日本古典文学全集 狂言集』
社会思想社『狂言の世界』
三省堂『狂言ハンドブック』
岩波書店『日本古典文学大系 狂言・下』

http://v.youku.com/v_show/id_XNTI1MzY2NTQ4.html

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