◇「もし」を考え演じて--1986年

 まだ私も20代の後半で、無我夢中で歌の世界に生きていこうとしていた時期でした。レコード会社は2月に出した「大阪つばめ」に力を注いでおり、7月発売のこの曲は、意外とヒットしていないんです。私は、この情念の世界を思いっきり演じてやろう、役者の意識で歌おうとしてました。

 それは「もしなになにだったら」って考えるんです。そうすると「ピュッ」と魔法のように時空を超えられる。

 ですから、「誰かを殺していいですか」という歌詞のところなんか、本当に人を殺す時の気持ちは?なんて極限までイメージを作り上げたりしたこともあります。でも、今は20代じゃない。同じ歌詞の部分でも、耳元でコケティッシュにささやくのかもしれない、なんて想像ができるようになりましたね。

 もちろん、大切で大好きな歌です。今、東京・明治座の1カ月公演「長崎ぶらぶら節」の真っ最中ですが、当然「天城越え」も披露します。やはり最も盛り上がりますね。ぜひご覧ください。

毎日新聞 2006年5月20日 東京夕刊

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