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創業270年の「圓八のあんころ餅」
未だに竹皮の包装に包まれたあんころ餅が大好きである。圓八さんは、元文2年(1732年)創業ですから江戸の中期。華やかな元禄時代から吉宗の緊縮政治、享保の大飢饉と厳しい時代に差しかかっていた頃である。
加賀の千代女は1703年、松任の表具師福増屋六兵衛と村井屋つるの長女として生まれた。千代女の居宅と圓八のあんころ餅はいわば隣町のような位置にある。(現在の地図で見ると)
創業まもない圓八に千代女は30歳代ですから、あんころ餅を食べに寄ったり、買い求めたりしたのではないか想像する。想像することは実に楽しいことであります。
圓八さんに電話を入れて、「加賀の千代女があんころ餅を買い求めたとの記録はありませんか」と尋ねました。「そうした記録、記述はございません」との返答でした。歴史の中に埋没した結びつきが創造の世界で楽しませてくれます。
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