2009年6月12日(金) 8時0分 スポーツ報知

 ◆ロッテ23-2広島(11日・千葉マリン) ロッテが両リーグを通じて今季最多の23得点を奪い、大勝した。7-2で迎えた6回。打者20人の猛攻で12安打15得点。1イニング15得点、15打点、14者連続得点はいずれもプロ野球新記録で、10打数連続安打はプロ野球タイ記録。12安打も史上2位タイだった。21点差は5年目の交流戦で最大得点差。このところ貧打続きで打撃コーチ“解任騒動”まで起きたロッテが、記録ラッシュの大爆発で、連敗を2で止めた。

 止まらない。止められない。ロッテの選手が、次々と本塁を駆け抜けていった。5点リードの6回。先頭の福浦の左前安打を合図に、48分間のヒットパレードが始まった。打者20人の猛攻で12安打15得点。1イニング15得点、15打点、14者連続得点はプロ野球新記録。10打数連続安打も日本記録タイだった。1イニング2安打を放った里崎が「自分で止められなかった。だいぶプレッシャーがあった」と笑えば、中前適時打で15得点目をたたき出した堀は「とにかく自分自身必死でやって、記録につながったのが良かった」と声を弾ませた。右翼席のロッテファンは、今まで味わったことのない歓喜に酔いしれた。

 お家騒動を忘れさせる大爆発だった。交流戦に入り、ロッテ打線は不振を極めた。5月31日のヤクルト戦(千葉)の5回から、23イニング連続無得点も記録した。10日までのチーム打率は、リーグ最下位の2割5分に沈んだ。逆転負けした5日の中日戦(ナゴヤD)後、バレンタイン監督が「打撃コーチを一時的に交代させる」と異例の閣内批判をする事態に陥った。

 「悪いときに選手を責めても仕方がない。選手たちを信じてやっていくしかない」公然と批判された高橋打撃コーチだったが、全体練習前に打率が下降気味だった井口にアドバイスを送るなど、献身的な指導を続けた。打線の突然の猛打に、高橋コーチは「打ったのは選手。オレの仕事じゃない。明日の新聞は、選手をほめてやってくれよ」と苦笑い。試合前、広島の先発を大竹ではなく小松と読む“アクシデント”もあった中、チーム打率は一夜で、7厘もアップした。たまっていたうっぷんを一気に晴らした。

 どんなに日本記録を作っても、おまけの1勝が付くわけではない。チームは、まだ5位に沈んでいる。それでも、連敗を2で止めたバレンタイン監督は「09年の攻撃陣はこれだけの記録を作れる強さを持っている。これからの良い弾みになる」と自信たっぷりに言った。05年の開幕カードで楽天から26点を奪い大勝。その勢いのままアジア王者にまで上り詰めた。記録ずくめの大勝を契機に、ボビー・ロッテが生まれ変わる。
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