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▲ 舞妓姿で熱唱する石川さゆり

◆ 東京・青山で音楽会 ◆

 破たんした国民銀行からの融資をめぐり、整理回収機構(RCC)から約56億円の返還を求める訴訟を起こされた歌手・石川さゆり(43)が東京・青山劇場での恒例の「音楽会」を2日夜、開幕させた。石川は開演前に取材陣を集め、騒動について初めて会見。「なんで、こんなことになっているんだろう…ただ受けとめなければならない現実もある」と本音を明かした。


◆ 世田谷の豪邸手放す ◆

 ステージ上のあでやかな歌唱パフォーマンスとは対照的に、会見中の表情は曇りがちだった。係争中とはいえ、トラブルをめぐる金額はため息しか出ないくらいの数字。石川も「難しいことがいっぱいで、どこからどこまで、どう説明したらいいのか…」とキツネにつままれたような顔つきだ。

 事実関係については「私の知りうる限りのことを弁護士の先生にお伝えして相談しておりますので」と代理人に一任しているとし、感情的に。訴えに対して「私はそんなにズルい生き方、ウソをつくような生き方をしてきた覚えはない」と困惑気味に反論した。

 ただ、それなりに「現実」も受けとめた。騒動の過程で、東京・世田谷区に自宅として暮らしていた豪邸が他人に渡ったことを告白。金銭トラブルで人間不信におちいっている様子で「私の計り知れないところがたくさんあって、人を信頼するとか、人を信じることはとても難しいことだと知りました」とステージでは吐かない本音も。

 この日は8回目を迎える恒例公演「石川さゆり音楽会」の初日。今年は「日本歌謡の源流を綴る」と題し、芸者に扮しての「滝の白糸」、下駄を履いてのタップなど35曲を熱唱。大衆音楽のルーツを探り、今年度文化庁芸術祭参加作品として公演する気合で臨んだ。

 本来ならステージに集中したいところだろうが、舞台裏は気が気でない状態。訴訟トラブルで浮上した男性問題については「パトロンとか、そのような後援者はいませんし、1人で一生懸命生きているつもりです」と一部の報道を否定。「私の生きていく姿勢、歌う姿勢は何も変わりない。(訴訟にも)しっかりと対処していきたい」と語気を強め、晴れない胸のうちはすべて歌にステージに込めたい構えだ。
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